まず、起きたのが「手動による対策」「アルゴリズムによる順位低下」「技術的な不具合」のどれかを切り分けます。サーチコンソールの「手動による対策」レポートが空ならペナルティではありません。手動対策は修正して再審査リクエストを送り、アルゴリズムの低下はGoogleのシステムが再評価するまで待ちます。
ある朝、検索流入がほぼ半分になっていて、原因が分からない。「ペナルティを受けたのでは」と不安になる場面です。実際には、ペナルティと呼べるものは少数で、原因が違えば直し方も全く違います。診断を間違えると、数か月を無駄にします。
最初にやること:何が起きたのかを特定する
診断が作業のほとんどです。3つの原因は対処法がまったく異なるため、取り違えると時間を失います。
サーチコンソールの「セキュリティと手動による対策」→「手動による対策」を開きます。 項目があれば、担当者が手動でペナルティを適用したということで、理由も明示されています。詳しくは手動による対策の解説(英語)を参照してください。これは手順が決まっていて、再審査を求められる仕組みです。
項目が空なら、残る2つのどちらかです。 次のように見分けます。
| 見るポイント | アルゴリズムによる低下 | 技術的な不具合 |
|---|---|---|
| 下がり方 | 特定の日に急落、またはじわじわ下降 | 急落、多くは一晩で |
| 影響範囲 | 特定のページやクエリの種類 | サイト全体に及ぶことが多い |
| 時期 | Googleのアップデートと重なる | デプロイ、移行、期限切れと重なる |
| インデックス | ページは登録されたまま | ページがインデックスから消えていく |
評価されたと考える前に、単純な原因を確認してください。本番環境に紛れ込んだ noindex、クローラーを拒否している robots.txt、期限切れのSSL証明書、失敗したサイト移行、Googlebotにエラーを返すサーバー、全ページをトップページに向けてしまったcanonical。突然のアクセス急減の多くはこうした原因で、どれも半日あれば直せます。
ペナルティ以外の説明も除外します。 実はこちらのほうが一般的です。季節要因、強調スニペットの喪失、検索結果のレイアウト変更でオーガニック結果が下に押されたこと、AI Overviewsが情報系クエリのクリックを吸収していること、競合がより良い記事を出したことなどです。順位が安定しているのにアクセスが減っているなら、順位ではなくクリック率の問題です。大きな対応をする前に、サーチコンソールで表示回数とクリック数を比べましょう。
手動対策からの回復手順
手動対策は、Googleが指摘した問題をすべて直し、対応内容を記録して、再審査リクエストを送ることで解除されます。Googleが何が問題かを教えてくれるため、3つの中では最も道筋が明確です。Googleの手動による対策レポートのヘルプには、15種類の対策のほか、ニュースとDiscoverのポリシー違反の種類が載っており、それぞれ直し方が違います。
ステップ1:サーチコンソールで対策の内容を正確に読む
「手動による対策」レポートを開き、対策の名前、サイト全体か「一部」か、Googleが示すサンプルURLを控えます。対策の名前で作業の中身が決まります。「サイトへの不自然なリンク」ならリンクの整理、「質の低い内容、または付加価値の少ない内容」ならコンテンツの整理です。どれか分かるまで修正を始めないでください。
ステップ2:サンプルだけでなく、該当するページすべてを直す
Googleのヘルプには「一部のページだけを修正しても、検索結果への部分的な復帰は得られません」という趣旨の記載があります。サンプルURLは例にすぎず、全件ではありません。リンクが理由なら、サーチコンソールのリンクレポートと、少なくとも1つの外部ツールから被リンクをすべてエクスポートしてください。サーチコンソールだけでは一部しか見えないためです。
ステップ3:作業しながら記録を残す
初日から表計算シートを用意し、リンクまたはページごとに、実施した内容(削除、書き換え、nofollow化、否認)、日付、証拠(スクリーンショットや削除依頼のメール)を記録します。審査担当者は、見せない限り努力を確認できません。日付つきの記録が、説得力のある申請と願望だけの申請を分けます。
ステップ4:再審査リクエストを送る
すべて直してから、「手動による対策」レポートの「審査をリクエスト」をクリックします。その前には送りません。書くべき内容は次の節で説明します。Googleは、再審査の多くは「数日から数週間」かかり、リンク関連の申請はさらに長引くことがあるとしています。
ステップ5:結果が出る前に再送しない
Googleは、審査中のリクエストに結果が出る前に再送しないよう求めています。却下された場合、通知には何が残っているかが書かれていることが多いので、そこを直して記録に加え、そのうえで再度申請します。
再審査リクエストに書くこと
Googleによれば、良い申請は「サイトの品質上の問題を正確に説明し」、「問題を解決するために行った手順を述べ」、「その取り組みの結果を記録」しています。実際には、次の4部構成で足ります。
- 原因。 何が起き、誰が行ったかを1〜2文で端的に書きます(例:「委託先が2025年に140ドメインでサイト全体へのリンクを購入した」)。対策が不当だという主張はしません。
- 削除または否認した内容。 形容詞ではなく数字で書きます。見つけたリンク数、連絡したサイト運営者数、削除されたリンク数、否認ファイルに追加したドメイン数、書き直しまたは削除したページ数です。
- 証拠。 全記録をまとめた共有スプレッドシートへのリンクと、削除してもらえなかったリンクについての依頼メールです。
- 再発防止策。 運用の変更です。リンク取引を今は誰が承認するか、代理店との契約終了、ゲスト記事の新しい編集ルールなどを書きます。
具体的に、防御的にならないよう書いてください。審査担当者は多くの申請を読むため、完全な記録つきの短い申請が、長い謝罪に勝ります。
手動対策が取り消されれば、通常は早く回復します。ただし、ペナルティの対象になった施策が順位を支えていたことも多く、元の順位にそのまま戻るとは限りません。
代表的な手動対策の種類と対処法
手動対策は種類ごとに原因も直し方も異なります。汎用のペナルティ用チェックリストを当てはめず、自分に通知された内容を読んでください。次の5つは特に遭遇しやすいものです。全種類はGoogleのヘルプに載っています。
サイトへの不自然なリンク
購入したリンク、リンクネットワーク、キーワードのアンカーを使った大量のゲスト投稿など、人為的な被リンクのパターンをGoogleが検出したときに適用されます。対処は、サイト運営者にリンクの削除を依頼し、削除してもらえなかったものを否認し(不要な被リンクの否認方法(英語)を参照)、審査をリクエストする流れです。削除の試みをせず否認だけで申請しても説得力は弱くなります。
サイトからの不自然なリンク
こちらは発リンクが対象です。販売したリンクや、Googleが「過度な相互リンク」と呼ぶものが該当します。対処は、リンクを削除するか、rel="nofollow" または rel="sponsored" を付けてPageRankを渡さないようにして、審査をリクエストすることです。リンク交換を行うなら、各リンクを関連性があり、編集上も妥当なものにしてください。パートナーのリンクだらけのフッターは、まさにこの対策が指す状態です。
質の低い内容、または付加価値の少ない内容
スクレイピングしたページ、販売元の説明文に何も足していないアフィリエイトページ、キーワードの派生形で上位を狙うドアウェイページなどが対象です。対処は、サイト全体として独自の価値が出るまで、低品質なページを改善または削除することです。ドアウェイページ数百枚をnoindexにして残りを放置するのは、Googleが警告する中途半端な対応にあたります。
重大なスパムの問題
多くのSEO担当者が今も「純粋なスパム」と呼ぶ対策です。大量生成コンテンツの乱用やクローキングなど、悪質または反復的な違反が対象です。一部分を整理するのではなく、サイト全体をGoogleのスパムポリシーに合わせる必要があるため、解除が最も難しい対策です。すでにこの対策が付いた期限切れドメインを購入した場合は、購入日を添えて申請書で説明してください。
構造化データの問題
マークアップがページの表示内容と一致しないときに適用されます。レビューのないページに星評価を出す、存在しない求人にJobPostingを付ける、といったケースです。対処は、違反しているマークアップを修正または削除し、ページを再テストして、審査をリクエストすることです。この対策で失われるのはリッチリザルトで、通常はページ自体が検索結果から外れるわけではありません。
アルゴリズムによる低下からの回復
こちらはより難しく時間がかかりますが、実際には多くのサイトがこの状況です。通知も、異議申し立ての窓口も、相談できる相手もありません。
下がり始めた日を正確に特定します。 サーチコンソールでアクセスが落ち始めた正確な日付を調べ、Googleが公表しているアップデートの履歴と照らし合わせます。コアアップデートやスパムアップデートと重なっていれば、何を直すべきかの手がかりになります。
アップデートの種類に合わせて直します。 Googleは、コアアップデートを「年に数回」行うとしており、ウェブ全体で品質と関連性を再評価します。コアアップデートによる低下への答えは、技術的な小細工ではなく、より良いコンテンツ、強いE-E-A-T(英語)、検索意図との一致です。スパムアップデートは特定の人為的な手法を狙います。Googleのランキングシステムのガイドは、SpamBrainをその背後にあるシステムの1つに挙げています。
ページ単位で正直に監査します。 ページをトラフィック順に書き出します。何も得られず、何も付け加えていないページは、無関係な巻き込まれではなく原因そのものであることが少なくありません。薄いページが大量にあると、サイト全体の評価を下げる可能性があります。改善するか、統合するか、削除してください。体系的な方法はコンテンツの劣化(英語)で解説しています。
そして時間を置きます。 ここは多くの人が受け入れたがらない部分です。Googleの言葉では、変更が数日で反映されることもありますが、システムがサイト全体の改善を確認するには「数か月かかる」ことがあり、次のコアアップデートを待つ場合もあります。1週目に全部直しても、2週目にアクセスが戻るわけではありません。待つ間に毎週サイトをいじると、何が効いたのか分からなくなります。
現実的な見通しは、コアアップデートからの回復で数か月です。完全な回復より、部分的な回復のほうが一般的です。
やってはいけないこと
被リンクをまとめて否認しないでください。 慌てて取る行動のなかで最も被害が大きいものです。Googleのリンクの否認ツールのヘルプは、このツールを上級者向けの機能とし、誤って使うとサイトのパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があると述べています。否認ファイルは10万行、2MBまでで、新しいファイルの処理には数週間かかることがあるため、間違いを元に戻すのは遅くなります。
サイトのコンテンツを大量に削除しないでください。 順位がついているページを消せば、手元にあったものを確実に失います。
何も直さないまま、再審査リクエストを繰り返さないでください。
最初の手段として新しいドメインに作り直さないでください。 すべてのリンクとシグナルを失いますし、原因がコンテンツの品質なら、問題はそのまま付いてきます。
「何日までに回復を保証」とうたう業者に頼まないでください。 アルゴリズムによる回復は誰にも保証できず、そうした提案は仕組みを理解していない証拠です。
一度にすべてを変えないでください。 コンテンツの書き換え、サイト構造の変更、リンクの否認、URL移行を同時に行うと、どれが効いたのか、どれが悪化させたのかが分からなくなります。
回復したあとの立て直し
原因を取り除けば、あとは通常のSEOです。各ページを検索クエリへの最良の答えにし、トピックを散発的な記事ではなく体系的にカバーし、権威性を築き直します。
リンクのペナルティを受けたサイトが特に弱いのが、この最後の部分です。整理によって、サイトを支えていたものが取り除かれているからです。立て直しには、審査に耐えるリンクが必要です。実際のサイトの実際の記事内にある、実際のリンクです。Backlinksterはそのための仕組みです。近いジャンルのサイト運営者と1対1で記事内リンクを交換し、各交換はAPIで検証されます。無料プランには月5件の交換が含まれます。問題を招いた手法より時間はかかりますが、それが狙いです。
よくある質問
Googleペナルティから回復するにはどうすればよいですか?
起きたのが手動対策(サーチコンソールの「手動による対策」レポートで確認)、アルゴリズムによる低下、技術的な不具合のどれかを特定します。手動対策は修正してから再審査リクエストを送ります。アルゴリズムによる低下は、根本の品質問題を直し、Googleのシステムが再評価するのを待つ必要があります。
Googleのペナルティを受けているかどうかは、どう分かりますか?
サーチコンソールの「セキュリティと手動による対策」を確認します。項目があれば手動対策を受けています。空なら、アルゴリズムによる低下、技術的な不具合、またはペナルティではない原因です。ペナルティと決めつける前に、noindex タグ、robots.txt のブロック、サーバーエラーを確認してください。
ペナルティからの回復にはどのくらいかかりますか?
Googleによれば、再審査の多くは数日から数週間かかり、リンク関連はさらに長くなります。アルゴリズムによる低下からの回復は通常数か月で、Googleはサイトの改善をシステムが確認するまでに数か月かかることがあるとしています。完全な回復より部分的な回復のほうが一般的です。
再審査リクエストには何を書くべきですか?
Googleの言葉では、「サイトの品質上の問題の正確な説明」、解決のために行った手順、その結果の記録の3点です。実際には、原因を平易に書き、削除または否認した数を示し、証拠のスプレッドシートへのリンクを添え、再発を防ぐ運用の変更を書きます。
手動対策とアルゴリズムによるペナルティは何が違いますか?
手動対策は担当者が適用し、サーチコンソールに表示され、再審査を求められます。アルゴリズムによる低下は自動的な再評価で、通知も異議申し立てもありません。システムがサイトを再評価したときにだけ解消されます。
被リンクを否認せずに回復できますか?
多くの場合できます。否認が適切なのは、不自然なリンクに対する手動対策を受けた場合や、自分で作った、あるいは購入した本当に有害なリンクがある場合だけです。Googleは明らかなスパムリンクを自動的に無視するのが一般的で、むやみな否認は必要なシグナルまで消してしまいます。
ペナルティのあとは新しいドメインに移るべきですか?
めったに勧められず、最初の手段にもなりません。蓄積したリンクと履歴をすべて失い、原因がコンテンツの品質や事業のやり方なら、新しいドメインでも再発します。本格的な整理と再審査が失敗してから初めて検討してください。
ペナルティがないのにアクセスが減るのはなぜですか?
季節要因、強調スニペットの喪失、検索結果レイアウトの変化、AI Overviewsによる情報系クリックの吸収、競合の改善などが一般的です。表示回数は変わらずクリックだけが減ったのなら、順位ではなくクリック率の問題です。
まとめ
診断がほぼすべてです。まず「手動による対策」レポートを確認し、次に技術的な原因を除外し、最後に下がり始めた日をアルゴリズムのアップデートと照らし合わせます。ペナルティを受けたと思っているサイトの多くは、実際には技術的な不具合か、通常の競争による後退です。手動対策なら、明確な問題と再審査の道筋があります。アルゴリズムによる低下には、どちらもありません。本当の品質の問題を直し、回復はGoogleのスケジュールで来ると受け入れることになります。一度に1つだけ変更し、一括否認と新ドメインへのやり直しという2つの典型的な過剰反応は避けてください。
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